「アイツが果凜にした事は絶対に
許せる事じゃねぇし…。
俺のした事もいくら罪を償っても
絶対に許せる事じゃない。
俺もアイツも一人の人間の
人生を目茶苦茶にしてしま
ったんだ…。
俺達は一生その罪を背負って
生きていかなくちゃいけない。
でもアイツの姿が頭から離れなくて…。」


俺は誠也に自分の
正直な気持ちを話した。


「お前がそう思うのは
仕方ねぇよ。
だってアイツとお前は
兄弟なんだから…。」


後悔…アイツの姿とその言葉が
頭を過ぎる。


そんな事を一度でも考えて
しまった自分にも腹立たし
さを感じる。


「陸…あんまり自分を責めるな。
アイツだって自分のした事の
重大さに気付いたから今
頑張ってるんだよ。
形はどうあれ.その事を気付かせ
たのはお前なんだから。
お前があの時.何もしなかったら
アイツは今でもきっと最低な
人間のままだったと思うよ。」


岳…お前は自分をそんな身体に
した俺をいまでも憎んでいるだろう。


俺もお前が果凜にした事は
絶対に許せなかった。


でもお前への制裁の手段はもっと
他にあったのかもしれないな。


岳…いくら俺を憎んでもいい
それをバネにして頑張れ…。