左側の足は張ったように
真っすぐで…手はだらりと
ぶら下がっているだけ。


全ての行動は右側だけで
こなしているようだった。


後遺症…。


俺のせいだ…。


あの日.俺は岳が殺して
やりたい程.憎かった。


あの時は…こんな奴.死ん
でしまえばいいとさえ思っ
たのに…。


現に今でも岳の事を絶対に
許せないと思っている。


でも…あんな姿を見てしまうと
岳への憎しみで一杯の心が折れ
そうになってしまう。


岳はこれからもずっと不自由な
生活を続けて行かなければいけ
ないのか?


来るんじゃなかった…。


やっぱり俺はここに帰って
来るべきじゃ無かったんだ…。


R♪R♪R…♪


お袋からだ…。


「もしもし陸?…今どこ?
着いたならどうして電話く
れなかったの?
玄関の前に置いてあったプ
レゼント…陸でしょ?」


「悪い!!誠也から電話が
あってさ!!
今から遊びに行くんだ!!
時間が無かったんだよ。
とにかく…おめでとう!!
今.運転中だから.また連絡
する。じゃあ!!」


「陸!!ありがとう。
今度ゆっくり帰って来なさいね。」


「…うん。」


お袋ごめん…俺…その家には
もう帰れないよ…。