婆ちゃんはさっきの岳の話しの事
を言っているんだろう…。


そうだよな…。


俺にとって殺したい程に
憎かった奴でも婆ちゃんに
とっては岳も可愛い孫なんだ…。


俺は婆ちゃんに余計な気を
使わせてしまった事を恥ず
かしく思った


「なんで婆ちゃんが謝るんだよ。
俺の方こそ素っ気ない返事して
ごめんな…。(笑)
…婆ちゃん俺…腹減った。(笑)」


「あっ!!そうだったね!!(笑)
すぐに用意するから待ってな。」


「わかった…。(笑)」


俺は急いで晩飯の支度をする
婆ちゃんの背中をずっと見
ていた。


婆ちゃん…ごめんな。


何度も心で呟きながら…。




今日もまた俺の変わりない
一日が始まる。


それでもこんな俺を雇って
くれた社長に感謝の気持ち
は今でも忘れてはいない。


周りには尊敬出来る先輩や親友の
誠也が居る。


変わりのない生活にも
感謝しなくちゃいけない
のかもしれない。


俺は当たり前の生活がどんなに
有り難い事か少年院から出て来て
始めて知った。


だから俺は色々な当たり前の事に感謝する。


働ける場所がある事。


親友と呼べる友達が居る事。


俺は幸せだと思う。