俺は幸せ者かもしれない…。


俺の事を色々な人がこうして
心配してくれている。


誠也.果懍.拓海君…。


俺は…笑ってしまいそうになった。


他人に有り難みを感じて身内には
憎しみを感じてる…。


こんな筈じゃ無かったんだ…。


岳とも仲のいい兄弟だったはず
なのに…。

「……拓海君…果懍に伝えて
下さい。必ず幸せになれって…。」


「お前が果懍を幸せにするんじゃ
なかったのか?それとも…レイプ
された女にはもう愛情は感じない
って言うのか!!」


「違う!!俺は果懍の事を1度も
そんな目で見た事なんてねぇよ!!
でも…でも俺にはもう果懍と一緒
に居てやる事は出来ないんだよ!!
果懍は俺と一緒に居ると嫌な事も
忘れられねぇんだよ!!」


「陸…どう言う事だ?」


隠し通せる事じゃない…。
いずれは分かってしまう事…。でも…。


「陸.答えろ…。陸!!」


「…果懍を…果懍を襲った男は…
俺の…兄貴だった…。」


「……本当なのか?……陸…お前…
何をしようとしてるんだ!?」


「俺が果懍にしてやれる事って
…1つしか無いから…。」


俺は携帯の電源を切った。


岳…覚悟して来いよ…。