俺は最後に望みを賭けた。


3回のコールで果懍が出なかった
ら諦めよう…。


最後にお前の声を聞かせてくれ。


R♪…R♪


1回…。


R♪…R♪


2回…。


R♪…


「もしもし…陸君?」


「………。」


出た…。自分から掛けたのに俺は
何も話せずに居た。


「陸君?…陸君でしょ?」


「…うん。こんな時間にごめんな。」


愛しい果懍の声…。


「嬉しい…。今.私も陸君の事
考えてたから。」


「…果懍…俺達…」


「何…?」


「……何でもねぇ…。
果懍…好きだ…大好き。」


「陸君…何か変だよ?何かあった?」


これ以上.話してしまうと俺は
自分の幸せを選んでしまう。


でもアイツを許す訳にはいかない。


果懍…幸せになれよ…。


最後まで約束.守ってやれなくてごめんな…。


「本当に何でもねぇよ。(笑)
じゃあな…。早く寝ろよ。」


「陸君!!私…陸君に会いたい…。」


「えっ…。」


「明日…会ってくれる?」


事実を知った以上…俺にはもう
お前と会う事さえ許されないんだ。


「…ごめん。」


俺はそう言って電話を切った。