俺自身が始めた事なのに…俺が苛立ってどうすんだよ…。


誠也の言葉に気付かされた。


誠也の方が理由も分からずに
一生懸命になってくれてる…。


俺は果懍の事を誠也に話す気に
なっていた。


こんなに一生懸命捜してくれる奴
になら果懍の事を話すべきだと思
ったんだ。


「誠也…あのさ…話したい事が
あるんだ。」


「何だよ急に。(笑)どうした?」


「お前が一生懸命捜してくれてる
奴の事なんだけど……。」


「何だよ?何か手掛かりが
増えたとか?」


「そうじゃない…あのさ…その男
っていうのは…果懍を…果懍…」


「陸!!それ以上言うな…。
言わなくていい。いいから…。」


「誠也…でも…。」


「お前がこんなに必死になって
捜すっていくら馬鹿な俺でもさ
果懍ちゃんが関わっている事位は
わかってたよ。
でも…その理由を俺が知る必要
はねぇんだよ。
だって俺は暇だからお前と一緒に
そいつを捜してるだけだし。
だから俺もお前に何も聞かないし
お前も俺に何も話さなくていい。
それでいいじゃん…。」


「……誠也。」


「あっ…。一つだけ頼みが
あんだけどさ…。
まずは晩飯.食いに行かねぇ?」