初めて拓海君と会った日に交換
した携帯番号…掛けたのは今日
が初めてだった。


何も話さない相手に俺は戸惑う。


「もしもし…拓海君ですよね?」


「あぁ…。」


初めて会った時の俺が知っている
拓海君じゃない。


声に力が無く疲れ切った様子だった。


「果懍知りませんか…?」


「…陸…果懍をそっとして置いてやってくれないか?」


「どう言う事ですか?
果懍の居場所知ってるんですよね?果懍に会いたいんです!!」


「果懍がお前に会いたくないって
言ってんだよ…。陸…お前…果懍
の事好きか?」


拓海君の質問の意味がわからない…。


「何で今そんな事.答えなくちゃ
いけないんすか!!俺の質問に…」


「好きかって聞いてんだよ!!」


やっぱり拓海君の様子がおかしい…。


果懍に何があったんだよ?


俺は自分の気持ちを正直に
答えた。


「すげぇ…好きです。」


「そっか。すげぇ好きか…果懍に
伝えとくよ。」


「自分で伝えます!!果懍はどこに
居るんですか!?教えて下さい!!」


「ダメだ。陸…果懍は本当にお前の
事が好きなんだよ…それだけは忘れないでやってくれ…。」


-ッ…ッ…ッ-


「もしもし!!」