果懍とは果懍の塾が無い日は必ず
会うようにしていた。


俺達は2人の時間を邪魔されたく
なくて俺の部屋で過ごす事が多くなる。


「陸君.ギユッってして…。」
果懍がいつも俺に言う言葉。


俺が抱き締めると安心からか
果懍はそのまま眠ってしまう
日もあった。


そんな果懍の寝顔を見ているだけ
でも俺は幸せを感じていたんだ。


医大を目指している果懍は日が
経つにつれ塾に通う回数を増やし
俺達は会えない日が多くなった。


俺と言えば頑張っている果懍に
刺激されて高校の指定校を受験
する事に決め俺も果懍に会えない
日は家に帰って机に向かう事が多
くなりそんな時に限ってお袋は慌
てて洗濯物を取り込む。


今日も部屋の前の廊下をバタバタ
と走っている。


「ババァ!!うるせぇんだよ!!
人が勉強しだすとなんでいつも
洗濯物入れんだよ!!」


「雨が降るからよ!!」


「はっ?どこがだよ?晴れてんだろうが!!」


「あんたが勉強しだすと珍しい
から雨が降ってくるのよ!!
お母さんが忙しく走り回ってる
のもあんたのせいなんだからね!!」


「あんたのせいって…。」


マジで言ってんのかよ…。
降る訳ねぇだろ…。