「羽奈?」

もう一度かっちゃんに呼ばれて、私は顔を上げた。

かっちゃんの心配した顔が目に飛び込んでくる。



少しの沈黙。



「かっちゃん、あのね。私、どうしてもかっちゃんに言っておきたいことがあるの。」

かっちゃんがコクンとうなずく。

私は、じっとかっちゃんの目を見つめる。

かっちゃんも私の目を見つめ返してくれる。

「かっちゃん、好き。大好き。なんて言えばいいかなんてわかんない。だけど、私はかっちゃんのことが大好きなの。友達としてじゃなくて……」

そこまで言うと、涙がこぼれた。

一度流れ始めた涙はなかなか止まらない。

上手く伝えられない思いが涙になって流れ出してるみたい。


かっちゃんが困ってるみたいだったから、私はうつむいた。

「こんなこと、言われても困るよね。」

かっちゃんは何も言わない。

「ごめんね。」