それからというものエノクの離れ業を目撃した人々が変な噂を流しだした


「カノンは悪魔を飼っている」
「家族を殺したのはカノン」
「悪魔に魂を売るためにやった」



とか・・・そんな根も葉もない噂
信じんなよ・・・馬鹿





私はエノクに言った



「きっとこれから私を信じて騙さないでいる奴はもういない
私にはエノクしかいない



契約して



私のそばを離れないって」




エノクは深々とお辞儀をして


「承知」


とだけ言った。私はかまわないと思った
自らの手で契約の鎖を硬く結びつかせるのは