「今も白石とかと仲いいし、あんまりよく思われてないみたいだよ。あんたも、巻き込まれないように気を付けてね」
あたしが何か言い返そうとして口を開くと、それより先にスミレが言った。
スミレも、心配して言ってくれてることはわかった。
でも…
アイコがそんな子だなんて、ましてや嫌われてるなんて、なんだかピンと来ない。
「あたしは、アイコいい子だと思うよ。よくわかんないけど、なんか誤解とかあったんじゃない?」
「……だといーけどね。まぁ、とにかく気を付けて。じゃあまた!」
スミレは片手を挙げて、自分の教室へ戻っていった。
まだ何か言いたそうな顔をしてたけれど、あたしはニッコリ笑って見送る。
教室に戻るときには、スミレとのウワサ話なんて、もう忘れてしまっていた。
あたしは本当に、能天気な大バカ野郎だった。
