『てめェ口答えしてんじゃねーぞ!』
『お前自分が悪いってわかってんのか!?』
『あ?なんとか言えよ、コラ!!』
―――ごめんなさい
ごめんなさいごめんなさいごめんなさい
全部あたしが悪いから
わかってるから、もう殴らないで
お願い、殴らないで…
*****
ドンドンドンドンッ!!
真夜中、荒々しい足音に目を覚ました。
反射的に飛び起きて、真っ暗な部屋に目を凝らす。
ドンドンドン!!
部屋には誰もいなかったけれど、相変わらず足音だけは響いていた。
一気にノドがカラカラに渇いていく。
自分の部屋のドアが、今にもバタンッと音を立てて開くんじゃないかと、身を固くした。
…トントントン…
けれど、足音はしだいに遠ざかっていく。
ほっとして息を吐いた。
気づくと、身体は冷や汗でぐっしょり濡れていた。
悪夢から目覚めたって、あたしに待っているのは次なる悪夢だけだ。
その夜、再び寝付くことができずに、膝を抱えたままで夜を明かした。
意味もなく涙が溢れて止まらない。
自分が、ひどく惨めに思えた。
