「夏木って何座?」
「星占いとか、信じてんの?」
「えぇ信じてますとも!ロマンチストですから!」
「…だっさ」

こらえきれない、という感じで夏木がゲラゲラ笑っている。

お前だって、この前桜見て感動してたロマンチストじゃねーか!

つい出かけた言葉をグッとこらえて押し込めた。

「いーから教えてよ、何座?」
「知らね」
「は?」

つい夏木の口癖がうつる。

夏木は寝転がって、空を見ながら答えた。

「知らねーよ、ふつう星座とか」

どうでもよさそうな口ぶりからして、嘘じゃないみたいだ。

男の子はあんまり星占いとか興味ないのかなー。

「じゃ、今調べてあげるから誕生日教えて」
「なんで調べんだよ」
「明日は夏木の当てられ率がやばくなるかもよ」
「別にいーし」

持っていたマンガ雑誌の占いページをつきつけながら、あたしが説得しても、夏木はなかなか手強く食い下がってくる。

だんだんとあたしも意地になって、しつこく問い詰めた。

「いーからいつなの!?」