「白く、儚く、それは百合のように――」


「赤く、鮮やか、それは薔薇のように――」

手を取り寄り添って――

0&8
「「二人合わせて、紅白娘々ですー」」






「決まったわね、ミリアリア!」


「そういうもの?」


「ええ。私もアナタもそれはそれはかわいらしい乙女。その私達が手を取り合い、頬を寄り添わせて名乗りをあげた。敵うものはいないでしょう?」


「……」


「わかっていない顔ね」


「なにかにたとえてもらえると、わかるかもしれない」


「そうね、たとえたとえ……あ、最高級の茶葉で濃い目に入れた紅茶に、濃厚なミルクを注いだミルクティーは?」


「最高」


「その通りその通り、まさに今の私とミリアリアは、その最高だったのよ?」


「……どちらが茶葉でどちらがミルク?」


「色で言えば私がミルクかしら?」


「え……」


「あら? ミリアリアはミルクのほうがよかったかしら?」


「そうじゃない。ただ、ミリアリア、ミルク、出るの?」


「……あえて回答はしないことにするわ」