文字がひどくかすんで見えるのは、視力の低下によるものではなく、涙があふれて止まらないからだ。

たいして長くもない文章を何度も何度も読み返し、モモは手紙を抱きしめた。

三冊の手帳は、正隆が高校時代に使っていたと思われる、スケジュール帳だった。

制服の胸ポケットにちょうどおさまる大きさのそれを、モモはそっと開いてみた。

最初のページに記された「一年一組 伊集院正隆」の文字に触れ、次のページを開いた所で、思わず顔を近づけた。