「眼鏡の弁償代なんて、本当はどうでも良かったんだ」

良家の子息らしい言葉だけど、声には苦悩がにじんでいた。

「俺は山田と対等になりたくて……」
「なれるわけないよ」

反射的に口をついて出た言葉に、正隆ははじかれたように顔を上げた。