くだんない事を考え眠気を覚えて目を瞑った時だった。





「先客か…」





へっ?

瞑っていた目を開けると。




茶髪に長身、制服を着崩した男が1人私を見下ろしていた。




慌てて上体を起こすと。




「ここ…俺の特等席なんだけど?」





「あっあぁそうなんだ…今どく」






って何で私がどけなきゃない訳?




心の中で思いつつ渋々立ち上がると。



風に煽られた髪に視界を遮られ躓いた。




「ヒャッ」





男に咄嗟に腕を捕まれ体勢を崩し。

見事に男の胸にダイビング…





「ご、ごめ…「痛ッ!」





離れ様とする私の髪を引っ張られ。





「あー動くな。絡まってる」






へっ?絡まる?






「髪が上着のボタンに絡んでる」






ああ髪が…


って、んなドラマみたいな事ある訳…




「ほらッ!」


………。





私の毛束を掴むと目の前に男の胸から伸びる髪…