「まぁた寝てたの?」
そこに居たのは
さっきまで話していた
俺の彼女、倉崎沙耶(クラサキ サヤ)だ。
「んー、あぁ‥」
俺は大きく伸びをしながら
そう、答える。
2年のときは
クラスが一緒だったから
それなりに話しとかも出来たけど
3年になって
俺と沙耶はクラスが離れた。
離れたっつっても
隣の教室だから
こんな風に簡単に
逢いに来れるけどな。
それに
クラスが離れたぐらいで
俺達の中は揺るがねーし。
「壱さぁ。高校何処受けるの?」
俺の前の席に座って
沙耶が
教科書を読みながら
尋ねてきた。
「まだ、分かんね。行けるかどーかもあやふやだし」
俺はそう言って
また、机に顔を伏せる。
「そっか‥」
寂しそうに
そう言った沙耶に
「沙耶は何処受けんの?」
って、今度は俺が尋ねた。

