その女は
俺の顔を見るなり
バッと飛び上がって
「ひぃ!す、すみませんっ」
て、頭を下げた。
『ひぃ!』って‥
俺は妖怪かなんかかよ。
「いや、別に大丈夫だけど」
そう言って
ゆっくりとその女の方に
視線を向ける。
「あ、あのあの!ボール‥見ませんでしたか!?」
するとその女は
おろおろしながら
俺にそう問いかけてきた。
「ボール‥?さあ?知らねぇなあ‥」
「うぅー‥そおですかぁ‥」
俺が当たりを見回しながら
そう言うと
その女は肩を落としながら
泣きそうな声でそう言った。
「てか、きみ誰?」
ずっと気になっていた事を
肩を落としているその女に問いかけた。

