「本当のことが知りたくて、だから!」

「それでも…」

あたしより身長の高い彼は少し屈んで視線を合わす。

「俺は奏にこんな世界知って欲しくなかった…」


お互いの瞳が濡れる。

今更、遅すぎるのに。

「奏を守れるくらい強ければ良かったのにな」

自重的に笑う貴方。

違うよ、そんな言葉が欲しいんじゃないの。

「守る?ふざけんな!

あたしがあんたに守られてばっかりで嬉しいはずないやろ?

あたしは…っ!」


守られるばかりじゃなくてお互いに背中を預けて生きて行きたかったんだ。



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