五分も走らぬうちに水守達の家が姿を現した。

仰々しい楼蘭荘と正反対の貧相なあばら屋。
小さな家は川にそうように立っていた。


「ここが…?」

「はい、少し御待ちくださいね

いきなり入ると少し危ないんで」


危ないと聞いて少し七瀬の身が心配になった。

あたし達が動かなかったのは七瀬への危害はなく、余所者のあたし達への悪意だけだろうから。

七瀬に気を取られ気付かなかった。


後ろから雄叫びと衝撃、振り向いた先に見たのは黒ずんだ腕と叫ぶ佑と七瀬。

目に焼き付いているのは白すぎる程の肌に無残な傷。

あとは皮肉な程晴れ渡った空だった。


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