女尊男卑

私は家に帰るとベットに倒れこんだ。

共働きで誰もいない家の中はシーンと静まり返っている。

うつ伏せでしばらくぼーっとしていた私はあおむけになり天井を見た。

「はぁ…」

大きなため息をつく。

殺風景な天井を見ているとなんだかむなしくなる。

羽音は私の目標としているひとりで、同じ女として強いなっていつも思う。

ちょうど私の年齢の時に羽音は子供を中絶している。

大好きだった一つ年上の彼氏に遊ばれていたのだ。子供ができたって言った途端、音信不通になった。もちろん、羽音の性格上諦めるなんてできなかった。元彼を探しあて問い詰めた。

「おまえ誰?」

元彼が言い放った言葉だ。

『おれの子供じゃない』『おろしてくれ』そんな言葉がまだましに聞えてくる。