「レミは?夏から彼氏の話聞かないけどどうなの?」

私と琴葉はカウンター席に座った。

「男に興味ない」

「どうした?男性恐怖症にでもなった?」

茶化すように羽音が言った。

「男が何様?って感じ。だいたい貧弱なくせに言うことだけは一人前でウザいだけ」

「今日はいつもより冷めてんのよ」

小声だけど私に聞こえるように琴葉は羽音に言った。

羽音はクスッと笑ってオレンジジュースを私達二人の前に置いた。

「どうぞ。出世払い」

「ありがと」

私達は声を揃えて言った。

「ねえ、レミ」

羽音が不適な笑みを浮かべて私を見る。

「な、なに?」

「レミも不倫してみなさいよ」