学校が終わると私と琴葉はいつも行くカフェに向かった。

琴葉の姉である羽音(はおと)がバイトをしていて私達は週に3日はここで過ごしている。

きっと琴葉のお姉ちゃんが働いてなかったら私達が来ることはないだろう。

高校生には敷居の高いオシャレなカフェだ。

私達はここにいる時は自分のことを大人だと思い込む。

雰囲気に酔ってしまってるんだろう。

カフェにつくと琴葉のお姉ちゃんがいた。

「いらっしゃいませー。あら、琴にレミじゃん。いらっしゃい」

琴葉はニッコっと笑って手を振った。

私も笑顔を見せた。

「琴。今日、終業式でしょ?彼氏とデートとかないの??」

「だってようちゃんはお仕事だもん。我慢でしょ」

ようちゃん。琴葉の不倫相手の落合洋平(おちあいようへい)のことだ。