12月最後の登校日。

終業式を終えた私と親友の叶野 琴葉(かのう ことは)は担任が教室に来るまでの時間をグダグダと過ごしていた。

日が差し込む窓際の席は冬の寒さをよそに眠気を誘う。

「レミはみょうな所が大人だよね。なんか時々別の世界の人間に見える」

「なにそれ…」

私は普通の高校生だってば。

「まぁ、せっかくの冬休みだし楽しくいこうよ。ダーリンは奥さんと一緒に正月は旅行に行くって言ってたし。来年は3年になるし一応受験?じゃん。だ・か・ら冬休みはいい思い出作りたいんだよね」

私と琴葉が話していると仲のいい男友達の充岡 陸(みつおか りく)が私の隣の席に座った。

「冬休みは俺と一緒に過ごそうぜ。いろんな意味で楽しませてやるから」

バカはここにもいた。