「あ~あ、もしあのままお前が来なかったら、本気でおれが菫と契約してたのになぁ」

そう言って、ボクを見るとニィっと笑った。

「ほ、本気で好きでも無い子と契約するの!?センパイはッ!!」
「は?なわけないだろ」

何言ってんだよ、お前。
と、当たり前の様に返される。

はぁ、そうですか。
好きな人とはやっぱりしませんか。
そうですか。

‥‥って、え?





「えぇ――――――――――っ!!??」





予想外の言葉に驚いて、ボクは大声を上げた。

「‥‥お前、一発殴らせて?」
「嫌。だって痛いだろ?」
「痛いのなんて当たり前でしょう」
「だったら嫌」

センパイ、本気だったんだ。
はぁぁ~、アオちゃんが来てくれて本当に良かったよぉ‥‥。

「んじゃ、おれは行くからな?お前に殴られるのなんてゴメンだし」
「そう?一発くらって行けばいいのに。遠慮は要らないよ?」

ちょ‥ッ、アオちゃん!?
いつもとキャラ違うよッ!!
こ、怖い。
笑顔が怖いよ、黒いよぉ‥!!

なのにセンパイは、そんなアオちゃんを完全無視。
‥‥空気扱いされてる、アオちゃん。

「菫、明日の部活でな」
「は、はぃぃ‥」
「部活なんか行かなくていいよ。てか、辞めな」



そうして、とんでもない嵐は過ぎ去っていった。