「スミレ‥」
「‥‥ん?」

ヤバイ、眠ってしまいそ‥‥。

「お姫様はさ、」
「ぅん」
「王子様の“何”で目が覚めるっけ?」
「‥‥」

ごめん、アオちゃん。
何しようとしているか分かった。

「あれ?スミレ、眠いんじゃなかったっけ?」
「ううん、全然ッ!!」

どうせ、キスして起こそうとでも考えてたでしょ‥っ!!
お姫様が目を覚ますって言ったら。



―――‥‥王子様の“キス”。





「ねぇ、スミレ」



ドキン


  
「な、に?」



心臓が跳ねてる。



「してもいい?」



それはアオちゃんのせい。



「‥何、を?」



アオちゃんの考えている事が分かってしまったのも一つの原因だと思うけど‥‥



「分かってるくせに」



アオちゃんがそんな低い声で



「し、知らないっ!!」



ボクの耳元で言ったりするから



「嘘付き」



ドキン、ドキン。



「あ、アオちゃんに言われたくないっ!!」



ほら、また心臓が高鳴ってる。





アオちゃんは、腰に手を回してきた。
わぁぁッ!!
これじゃあ逃げられないぃ‥ッ!!

「ちょ、アオちゃ‥」
「契約しようって、最初に言ってきたのはそっち」



もう、逃がさないから。