僕は何かに弾かれた様に、スミレに抱きついた。
全く、矛盾しているよ僕は。
体と心が反対の行動をとっているんだから。
スミレを受け入れちゃ駄目だ。
苦しい思いをするのは、スミレなんだ。
もう、離せない。
誰にもスミレを譲りたくない。
譲れない。
どちらにせよ、そう思うのは
―――‥お前の大切さに気づいたから。
どうするのかな? 僕。
どっちの気持ちの方が先に、
僕をその気にさせる?
「ねぇ、アオちゃん‥‥契約しよう?」
スミレは潤んだ瞳に僕を写しながら話題を戻した。
「ボク、センパイなんかと契約するんだったら、アオちゃんが良い」
「‥スミレ」
「ううん、アオちゃんじゃないとイヤ、ダメっ!!」
‥‥勝ったのは、決意を貫き通す事。