「吸血鬼、なの‥‥?」



口からこぼれ落ちた声は、とても寒い所にいるみたいに震えていた。

「そ、だから、オレの“餌”になれよ」

軽く吐かれたその言葉に、ボクは敏感に反応した。

え、“餌”‥‥
‥センパイ、の?
‥‥そんなの、

「っ、‥嫌、だ。」
「‥‥はぁ、なんで?だって、アイツ、かいちょーサンは他の人の貰っていたじゃん。だからオレの“専用”になれよ」
「‥せ、専用?」
「そ。オレのだけの“餌”になってくれよ」

何それ‥‥、そんなの、そんなの、

「絶対に嫌‥ッ!!」
「あ?」

ボクはね、アオちゃんにしかあげないって決めてるの‥ッ!!
だからセンパイなんかにあげたりしないし、あげる血なんて無いんだからねッ!!

そうセンパイに向かって叫ぶと、センパイは一瞬冷めた目をした。
そしてニタリと笑う。

「へぇ~、そうなんだ。なら‥‥」

ガシャンッ‥!!

という大きな音と共に、背中に鈍い痛みが走った。
両手はボクの頭の上で、ギリギリとセンパイの片手で締められている。

「力尽くででも、頂くから」

ボクはセンパイに、思いっ切り金網に押し付けられて
身動きが取れなくなってしまった。