「スミレ‥ッ!!」
僕は上履きのままスミレに駆け付けた。
周りにいた、部のメンバー達はスミレにも僕にも驚いていた。
「あ、あの‥会長‥」
「ゴメンね、急に。君たちはこのまま活動続けて」
「は‥、はい」
僕はスミレを抱きかかえると、足早にその場を後にした。
おかしいと思ったんだ。
まさか倒れるとは思ってなかったから吃驚した。
もしかしたら、僕が原因かも‥‥。
血は毎日貰っていたわけではない。
週に二回位にしていたし、量も少なめにしていた。
でも、少しずつでも減っていく血の量はきっと多いだろう。
体はこれについていけなかったのかも。
いや、もしかしたらついていけないのかもしれない。
不安ばかりが頭によぎる。
スミレの顔を覗けば、少し苦しそうに見えた。
「‥‥ゴメン」
口から出る言葉はこればかり。
重く、重力を宿して下へと落ちていく。
僕はスミレを保健室へと運んでやったけど、先生は不在中‥‥。
運が良いんだか、悪いんだか。
とりあえずスミレをベッドにそっと降ろして、僕はそのべッドに腰をかける。
すると二人分の体重を受けたベッドは、小さく悲鳴を上げた。
僕はスミレの首筋にある片方の僕の跡を、そっと撫でた。
「‥‥駄目、だ」
本能からか、
僕の本望からか、
スミレの血を欲してしまう。