中曽根工業高校

「俺、早く来たけど聖也みてないよ、荷物だってないし」

朝早くきたキノの証言で、聖也は教室に来ていないことが判明した。

(やっぱりか…)

「手ぶらだったから教室に置いてきてるのかと思ったけど…」


「てゆーか伊澄ちゃんは聖也になんか用??」

「風間くんがベッドに指輪置いてったから…」

伊澄はリングをポケットから出して見せた。

「あーこれ…聖也のだな」

キノは伊澄からリングを受け取り、電灯に照らした。

「照らしてなんかあんのかよ」

土屋はつっこんだ。

「あ…でもなんか彫ってある…名前?」

「なになに?!」

(もしかして…彼女の名前とか)

他の3人も指輪をのぞきこんだ。

「えーと…SE…IYA」

「自分の名前かよ!」
ヒノケンは少し笑っていた。

「まぁ、でもAYAKAとかだったら…なんかリアルだし…笑」

「それこそ笑えないよ…」

土屋のジョークにキノは少し呆れた。

「風間くん、ミサキちゃんとは連絡とってないの?」