中曽根工業高校

「てか、俺も行きたいな」

「聖也は彼女いんだろ!てか、お前がくると女子がお前に集中しちゃうからだめ!!」

「ケチ~。直ちゃん、いく?」

聖也はすねたように唇を尖らせて直人を見た。

「俺はいいけど…でも土谷、参加するならするで今の彼女とちゃんとケジメつけろ」

「…あい」

土谷は小さく頷いた。

「直人マジメだね~」

「水澤くん…彼女、いないの?」

ずっと黙っていた伊澄だが、つい気になり、聞いてしまった。

「うん、俺はいねーよ」

「何で?伊澄ちゃん」
ヒノケンはきょとんとした目で聞いてきた。

「あ、この間女の子と一緒にいたから…」

あのスープ専門レストランで…つい伊澄は二人が恋人同士だと思いこんでた。


「あれは友達(笑)」

「そっか…いい雰囲気だから、勘違いした」

「誰だよ、友達って?」

聖也はかるく直人を肘でつついた。

「お前らよく知ってる奴だよ」

「誰?」

「…ミサキ」

直人の発した単語に、保健室の空気は固まった。