中曽根工業高校

「そ、そうなんだ…」

(い、意外…)

あの二人のツーショットを思い浮かべてみるが、どうもしっくりこない。


「木下くんて…女の子に興味ないのかと思ってた…」

「そんな男いないでしょ!でも、りょう以外は眼中ないみたい!!」

(そんなに…?!)

確かにりょうは明るくてオシャレだし、根はいい子だ。

(でも、正直、何で木下くんがそこまで惹かれるのかわからない…)

「………」

「あ、そういえばこの間、朝、火野くん見たよ」

なんとなく沈黙になり、伊澄は無理やり話題を探した。

「どこで?」

「駅の近くの交差点。女の子と自転車二人乗りしてた」

「…?あ、ああっ!ちぃのことか!!」

ヒノケンはひらめいたというように、指を鳴らした。

「楽しそうだったけど、二人乗りは危ないからやめようね」

「は~い…」

「ちーす」

聖也と直人と土屋が声をそろえて入ってきた。