中曽根工業高校

(…ここ最近、あんま寝てなかったしな…)

そう思い、地下鉄のホームにてため息を吐いたと同時に、伊澄の前に電車が到着した。

ドアが開き、顔を上げると、中は超満員だった。

(何これ…?!)

(そうか…いつもより遅いから…)

運悪く、通勤ラッシュと重なってしまったようだ。

何とか人をかき分けて入ったが、身動きがとれない。

学校まで、乗り換えなしで1本で着く。

(…学校まで辛抱)


「…あ」

よく見たら、向かい側の席に、直人が座っていた。

しかし、腕を組んで寝ているため、伊澄には気づいていない。

(…そういえば、前に家が遠いって言ってたな…)