中曽根工業高校

「西田先輩、勘違いしてるみたいだな」

池田と林のヒソヒソ話が聞こえた。

(いや……西田は)

そんな勘違いはしないはしない。

(あいつ……だから、自分で取りにこいって……)

「素直じゃないやつ」

西田の言葉に、思わず吹き出した。

「?なに?」

「いや…まぁ、西田が、部室の荷物取りにこいって。いつでもいいから」

「え?やっぱなんか忘れてた?」

(相変わらず鈍い奴)

「いや、ないけど……取りにこいって」

「?どうゆうこと」

「いつでも来いよって事じゃね?多分」

いまいち西田の真意が通じないので、思い切って言ってしまった。

「……………」

ちぃは最初少しキョトンとしたが、しばらくして笑顔に変わった。

「そういや、一人?親は?」

「先に、行ってもらった。私も、そろそろ行かなきゃ」

手元の腕時計を確認すると、そろそろ電車が発射する時間だった。

「そうか……」

「うん……なんか、この感じ『卒業』てマンガみたい」

「……………」

ヒノケンは複雑な顔をした。

「どうしたの?何だそれって(笑)」

「それは…………俺、知ってる(笑)中学のとき読んだ」