中曽根工業高校

「……………」

ちぃは微妙な表情で俯いた。

「すいません、言い訳ですけど……あの時、俺ら、なんか悪のりってゆーか」

「ちぃ」

ヒノケンが顔をのぞきこむと、ちぃは目にいっぱい、涙をためていた。

「おい?!」

「す、すいません……」

池田と林は確実にテンパっていた。

「違う……違うの…………嬉しくて」

消え入りそうな声で、言葉をつないだ。

「ヒノケンしか、来ないと思ってたし……私、嫌われてるから」

「そ、そんな事はないですよ」

泣きじゃくるちぃの前に、タオルを差し出した。

「……試合、勝ったぜ」

「本当に?」

「おう。これ戦利品。持ってけ」

ホレ、とタオルを渡した。

「戦利品……て、うちの部のタオルじゃん(笑)……同じの、持ってるし…」

そうは言いいながらも、ちぃは嬉しそうに受け取った。

「あと…お前、部室の荷物持ってってねーだろ?」

「え?持ってったよ」

「?だって……」

(西田が……)

「みんなが授業中に、顧問の先生に開けてもらって……忘れ物あった?」

「いや……てゆーか」