中曽根工業高校

西田が嫌いなちぃの見送りに行くというのだから、いい気分はしないだろう。

西田は二人を見つめ、その視線に二人は固まっていた。


ヒノケンは、二人を庇うように西田の前に出た。

「ちぃの見送りに行くけど、お前もくる?」




「行ってやるよ」



「え?」

自分で聞いておいて、ヒノケンは驚いた。

「合コン」

「え?」

また聞き返した。

「だから、合コン参加してやるって」

「あ……合コン」

「参加してやる代わりに、鳴海に伝言しろ」

西田はヒノケンを睨んだ。

「なに?」

「ロッカーの荷物、持ってけ。早く空けないと次の奴が使えねーだろ」

「ああ、あいつ置きっぱなしで行っちゃったんだ……ぬけてんな」

教室の荷物は持ち帰ったようだが、部室は忘れていたようだ。

(部室は、入りたくなかったのかも)

「それなら、俺が……」

「ダメだ」

荷物まとめて引っ越し先に郵送してやる……という提案は、あっさり却下された。

「人に頼んな。あいつに、自力で取りにこいって伝えろ」

「…………でも、いつになるか」