中曽根工業高校

「説得してほしーの?」

「されるか!!」

だんだん自分の気持ちもよくわからなくなってきた。

「あん時、ムカついたけど…おまえのこと嫌いにはなってない。実際、西田は実力あるし…後輩からも頼りにされてるし。鼻高いとこあるけど、そーゆー精神も勝つためには大事だと思う」

「なに、いきなり」

「……て、ちぃが言ってた」

そのまま、ヒノケンは西田に背を向けて歩きだした。

「…………」

「あいつ、俺らが思う以上に、俺らのこと見てるよ。確かに、ドジ多かったし、お前から見たら意識が低いとこもあったと思う。でも、あいつはあいつで……自分のやれる事探してたんだよ。いろんなとこ見渡してたんだよ」


ヒノケンは続けた。

「あいつのこと、別に好きにならなくていい、てゆーか嫌いでいい。キモイとか思っててもいい。ただ、あいつのこと、努力とか…気持ちとか……そーゆーのは認めてやってほしい」

「……………」

「それが俺の思うこと。まぁゆっくりでいいよ。考えといてな、合コンの事も」

ヒノケンはその場から去っていった。