「マジ?ヤバいんじゃない?」

「……………」

ヒノケンは心配してみせたが、土屋は無表情だった。

「…………じゃあ、俺行くわ。………ヒノケン」

「ん?」

「部活、来いよ」

そう言って西田は保健室を出て行った。

「別にサボってないけどな……」

確かに、一度部活をサボってちぃに会いに行った事はあったけれど、あれ以来はちゃんと顔出している。

「……………」

土屋は相変わらず、黙ったままだ。

「おい、土屋」

「ん?」

少し声を大きくして呼びかけたらやっと顔を上げた。

「なに、お前の元カノ援交してんの?」

「いや……わからない。でも、小さい頃から父親がいないから……なんか……おじさんとか見ると変な気分になるとか……前に言ってたけど」

「……………」

なんだか伊澄も心配になってきた。

「~~っ!知らん!!」

ヤケクソになったように頭をかきながら部屋を後にした。


「あ~行っちゃった……」

ヒノケンも取り残されて頭をポリポリかいた。

「火野くん」

「ん?」

「あの…鳴海さんは……元気?」

少し聞きづらかったが、気になっていた。

「ああ……連絡とってない。引っ越しする日、連絡してとは言ったけど」