中曽根工業高校

「別に本命は彼女だけど…ずっとつきあってると、何かナアナアになるじゃん?そうすると、たまには違う味も欲しくなるんだって」

「あんた今の彼女とどんくらい?」

「半年くらい…ちょっと便所行ってくる」

逃げるように、聖也は保健室から去っていった。


「ありゃ、病気だ」

「ミサキちゃんがいればいいのに…」

ヒノケンはぽそっと呟いた。

「あの子はいま何してんの?」

りょうはヒノケンの言葉を聞き逃さなかった。

「留学したらしい」

「えっ、どこに?」

「ニューヨーク」

ヒノケンは少し気まずそうな顔をした。

「そっか…先生、りょう良くなったから行くわ。ありがとな」

りょうが出て行き、保健室はヒノケンと伊澄だけになった。

「ごめん、まだ貼ってなかった」

急いで救急箱から絆創膏を取り出した。

「…ミサキちゃんて…」

「ん?」

「あっ、ごめん。何でもない…」

(ちょっと踏み込みすぎかな)

「あ~気になっちゃう感じですかぁ??」

ニタニタしながらヒノケンが聞いてきた。

「………ちょっと」