「あんたなんて、早く消えればいいのにっ」

ドンッ

「キャッ」

スッ

「死んだ蛾よりキモいこけ方」

「言い過ぎよ!」

グッ

あたしは愛海の足を掴んだ。

「愛心、優しいね」

「え?ありがと……」

たかが「優しいね」と言われただけで、顔が赤くなっていった。

「……愛心!?手、血がっ」

中指から血が少し垂れていた。

「ハンカチハンカチ」

あたしは左手をポケットにいれた。

「……ない」

「ハンカチが?貸すよ?」

ない、ない、ない!

「天使の翼が―…」

どうして!?

キーンコーンカーンコーン♪

「あ、うち、用事あるから先帰るね!ばいちゃ♪」

「またねぇ―…」

どうしよう。

ガラッ

「姫島。これ」

先生は、小さなノートを手渡した。

―愛心へ

奏太より―

「!」