「ま、待ってよ綾っ」

グイッ

「やっ、放せよっ」

バシッ

「ったぁ…」

はは。殴られちゃった。

馬鹿だなあたし。

こんなに嫌われてた事に、全く感じなかったなんて。

「うぅ。ごめん、綾。グスッ」

あたしはその場に泣き崩れた。

「愛心」

愛海……。

「綾、奏太君の事、好きらしいんだ。だから喧嘩をとめなかった愛心を恨んでるんじゃないかな」

「それだけじゃないわ」

ビクッ

「あんた、奏太君が死んだ後、男の子と仲良く喋ってたじゃん」

聖の事だ。

「ムカつくんだよ」

綾…。

言い訳できる立場じゃない。

あたしが悪いんだから。