……………。

聖…、どうしよう。

奏太が…、奏太が死んじゃうかもしれない。

どうしよう。

『大丈夫』

え…。

今の、空耳?

あたしは奏太の手から、天使の翼を放しとり、自分自身が握った。

……………。

「愛心が、今困っとるような気がする…」

聖は遠くで天使の翼の片方を片手に握り締めた。

……………。

「たしかこの辺から…」

東はこっそり小さな平家を覗いた。

「勇次郎、大次郎っ!助けて、奏太っ、幸次郎さんっ」

『か、奏太!?』

「奥さん、すぐ貴方の子供や旦那さんに会えますわ」

グサッ

『なにーっ!…ちょうどいい。公衆電話がある。110番だっ』