「んと、昨日の怪我…、大丈夫?」

「え?あ、あぁ、平気」

「よかった」

すごく血だらけだったから、傷も深くて中々治りにくいと思ってたけど。

「…俺、あいつの家に買われたっての、知ってる?」

「知っとる」

「だいぶ昔から、斎藤と古城は仲が悪くて…。あ、他の斎藤たちは知らないけどな」

「うん」

「ま、長い話になるから、短く言うと、下の弟たちが病気で、貧乏だから治療できないんだ。それでさ…」

急に話が止まったと思ったら、奏太の目に、光るものがあった。

「…何かあったらあたしに言って!ボコボコにしたる」

「ありがとぉ」