「俺がいなかったら、ヤバかっただろ」

「はいはい。ありがとぉございます」

東は、ニヤニヤしながら、あたしの額をグーで軽く叩いた。

「愛心の救戦士誕生」

「勝手に決めんな」

「あのままのがよかった?そしたら先生はびくついたまま、生徒は机をつらない…」

「わかっとるが」

ちょっと仲良くなると陽気な奴だと直ぐにわかった。

ガラッ

「失礼します」

…奏太君?

「あれ…、あの、血は」

「ふいたが」

「斎藤奏太です。迷惑かけて、すみませんでした」

「いや」

奏太君は、キョロキョロした。

「愛心…さん?」

「はい?」

「さっきはありがとう」

「は、はぁ」

感謝されるほどのことじゃ…。

「失礼しました」

ガラッ