ガラッ

「先生…」

「あの血はなんだ?」

「か、奏太君の血です」

先生は、「奏太」と聞くと、びくついて何も言わなかった。

「古城珠里さんがやりました」

「ん?あ、あぁ」

あたしは何気ない一言に腹が立った。

「先生!これって、いくら金で買われたからって、虐待ですよ」

「わかってる」

「じゃあ何で叱らないの?」

「いや…」

"古城"だから…。

「愛心、珠里さんは、学校に多額の寄付金を出したから、先生も逆らえないのよ、噂だけど」

「警察は?」

「虐待の証拠がないから…」

あたしの目…、駄目だよね。

「可哀相…」

ガンッ

「あぁあ!俺、こうゆームード嫌いなんだけど」

東だ。

「先生、授業やろ授業」

先生は「あぁ」と言いながら、教室に飛び散った血をふき始めた。

生徒も、吹っ飛ばされた机を直した。