ドサッ

「ヒィ…」

お、男!?

「うぅ…」

「だ、大丈夫!?」

あたしは、《その》男の子を支えた。

「うわっ」

「え?」

不意に、《その》男の子は悲鳴をあげた。

「お、おい、愛心…」

「愛心ちゃん、手」

手?

ドロ…

「わっ、な、何!?」

あたしの手には、赤く光るどす黒い液体がべっとりついていた。

「あ、あぁ…」

「うぅ」

男の子は、軽く唸った。

「馬鹿ね」

ビクッ

ガタンッ

「だ、大丈夫なの起きて」

男の子は、「馬鹿ね」と言う女の子の声で机を手で吹っ飛ばし、ヨロヨロ起き上がった。

「あんた、奴隷なんだから、逃げちゃ駄目よ」

奴隷?