ガンッ

「うわぁっ」

「あら、ビックリした?ごめんごめん」

女の子が机を思い切り叩いただけで、あたしはビビった。

「うち、愛海。よろしく」

「は、はぁ」

愛海は、あたしの顔をグイッと東に向けた。

「両思い?」

…は?

「「違うっ」」

重なった声に、あたしたちは笑い込んだ。

「うちも亀山なんだぁ。あなたは?」

「あたし愛心。桜」

愛海は、「へぇ」と言いながら、あたしの鞄を漁り始めた。

「ああっ」

ガバッ

取り上げた。