「なに」

「俺、第一中、行かん」

ブアッ

大きな風の中を通って、その一言が、私の心に刺さった。

「でも、もぉ会えんわけじゃないが。だからこれからも親友で」

バチンッ

「っ」

「…ハァハァ、馬鹿言わないでよ。親友って、隠し事していい関係?」

聖に、思い切り平手打ちをした。

「ごめん」

「さっさと行っちまえっ」

堪えきれない涙を、腕でふいた。

「…悪かった」

ギュッ

聖が私を抱き締めた時、少し、切なくて…、本当に同じ学校行かないんだ、って思った。

「多分、引っ越す」

聖の一言一言に、また少しずつ増える涙。

「…またな」

これが、二人の別れだった。

親友関係が引き裂かれそうになった時だった。