ガンガンガンガンッ

ドアの後ろから、耳障りな音が響いた。

「あー、もぉ」

ガンガンガンガンッ

乱暴なノックだなぁ。もしかして彼奴かも。

「はぁい」

ガチャッ

「…よっ」

やっぱね。この馬鹿顔が出てくると思った。

「何だよ聖」

聖はあたしの幼馴染みで、仲の良い親友。

「愛心、今度行く中学校、見に行かん?」

それなら付き合ってあげてもいいかな。

「…了解。何時?」

「何時でもいいょー」

は?何時でもって。

「いい加減に計画的にしないかんがぁ」

「わかっとるが」

この時、私は幼くて好奇心旺盛で、聖の気持ちなんて、考えた事もなかった。